ゲーム「Clair Obscur: Expedition 33」(クレールオブスキュール:エクスペディション33)のストーリー考察記事です。
今回はゲーム内で語られることの少ない現実世界側について考察します。
ストーリークリア(あるいは収集物の完全達成)を前提としているので、ネタバレに注意して下さい。
現実世界
ACT3で語られるように、アリシアがマエルとして転生し冒険しているのはヴェルソが描いたキャンバスの世界の中で、絵画の外には現実世界が存在しています。
今回は、「現実世界」関連のゲーム内情報のまとめや考察になります。
現実世界とキャンバス世界では時間の流れが異なる
「現実世界」とキャンバスの中の世界では明らかに時の流れが異なるようです。
ゲーム内では以下のような描写があり、これを裏付けています。
- 遠征隊00から遠征隊33までは67年経過している
- プロローグ、アントワーヌ談
- アリーンは67年(あるいはそれ以上)この世界に君臨していたことになる
- ACT3開始時点では、ルノワールはキャンバスに潜ってまだ1日
- モノリスの真下に閉じ込められた時点(クレア談)
- “崩壊”前からもこの世界は存在している
- 回転木馬のジェストラルの発言等
- ヴェルソ側で戦ってエンディングを迎えると、エンディングの墓標には12月33日と刻まれている
ゲーム内で得られる情報から、「現実世界」とキャンバス内部では明らかに時間の流れが異なりますが、具体的にどの程度早いのかはゲーム内では語られていません。
クレアが世話しているとはいえ、アリーンがキャンバス世界に潜りっぱなしである点を踏まえると、現実世界1日 = キャンバス世界1年程度のペースなのではないでしょうか。
これは、意識がないので食事は不可能だがクレアが水だけは与えていると想定すると、ギリギリ無しぐらいの日数ペースです。
人間は、水と睡眠さえしっかりとっていれば、たとえ食べものがなかったとしても2~3週間は生きていられると言われています。
サントリーのホームページ「人間と水」より
また、ヴェルソ側のエンディングでは墓標に「12月33日」と刻まれているため、我々が想像する”現実世界”とはまた異なった世界であることも確かでしょう。
「現実世界」の舞台は1900年代
ヴェルソ側のエンディングになりますが、墓標に刻まれた歴から、「現実世界」は1905年である事が示唆されます。

我々の現実世界とExpedition33の世界の西暦や技術的はある程度マッチしていそうです。
というのも、以下のようなオブジェが作中にあるためです。
- エッフェル塔(1889年)
- 凱旋門(1836年)
- 巨大な観覧車(1900年、パリ万博)
- 列車(地下鉄開通が1900年)
ヴェルソ(世界を作ったのはアリーンだっけ?諸説有り)がこれらのものを描いたのは当時を代表する出来事や目立つオブジェクトだったりするためでしょう。
1900年はベル・エポックと言われている、パリで多くの芸術が花開いた時代ともされているようで、芸術家にとっては関わりが深い時代であることも見逃せないかもしれません。
「画家」は「魔法」のような力を持っている
我々の現実世界と決定的に異なる点は、アリシアとその家族が絵画の世界に入れる点です。
また、エンディングで明らかになりますが、絵画の世界には精神論的な意味ではなく、文字通りヴェルソの魂が存在していました。
絵画の世界では画家は「クロマ」と呼ばれている物質を使い魔法を使えます。
「現実世界」でも使えるかどうかは不明です。
魔法の内容としてはルノワールのようにクロマを単純に攻撃に使ったり、アリシア(マエル)が行ったように絵を描いて具現化させるようなタイプもクロマを使うとしています。
(ACT3冒頭でクロマが足りない! -> ネヴロンにやられた死体にはどういうわけかクロマが残ってるぞ! -> じゃあこれを使おう!)
Expedition33の世界の他の画家がどうかは不明ですが、少なくとも作中に登場する画家は全員魔法のような力を使うことができるようです。
「クロマ」が何かは作中で語られることはありませんが、私の推測では魔法のインク的な何かかと予想しています。
「画家」のキャンバスへの出入りについて
キャンバスへの出入りの自由さですが、作中では幼い頃のクレアがヴェルソとキャンバスの中でよく遊んでいた事や、比較的頻繁に出入りしていたという言及があります。
そのため、キャンバスへの出入りは比較的自由に行えるようです。
また、画家同士の戦いでは勝利すると相手をキャンバスから追い出すことができるようです。
(ACT3終盤のルノワールの追い出しやACT2終盤のアリーンの追い出し)
ただし、ACT3後半ではアリーンがルノワールと戦うために戻ってきたりしているので、一時的に追い出しや現実の肉体を消耗させることはできても、すぐに戻ってくることも可能なようです。
なぜルノワールがアリーンやアリシアを追い出し、キャンバスを破壊したがっていたかというと、(現実世界の我々がゲームに依存してしまうように)彼女らがキャンバスの世界に依存してしまうという確信があったからでしょう。
事実、マエル側のエンディングでは現実世界に一切帰って来なくなってしまったマエルが描写されています。
「現実世界」では「作家」と「画家」が争っている
ACT3でのクレアのセリフから、現実世界では戦争が起こっており、家族間で争っている場合ではないという意図のセリフがあります。
※ 日本語表記だと”作家”ではなく”ライター”だった気がする
また、ヴェルソの死やアリシアの火傷を引き起こした火災は「作家」の陰謀である可能性が高いとされていて、「現実世界」では「画家」と「作家」で対立が起こっているという示唆がされます。
まとめ
- キャンバス世界と「現実世界」では時間の流れが異なる
- 「現実世界」の西暦や出来事は我々の世界と似ている
- 「ライター」「ペインター」が争っていて、魔法のようなものがある
ゲーム内情報からは「ライター」がどんな連中なのかや、現実世界の事情についてはあまり語られませんが、”12月33日”だったりと、興味深い世界設定があることが伺えます。
Expedition33の世界は終わってしまいますし、「現実世界」は深掘りが可能なので個人的には次回作は別の絵画世界を舞台にしたクレアによるライターとの戦いみたいなプロットになるんじゃないかなーと睨んでいます。
また、歴史的な出来事としては第一次世界大戦は1914年となっていて、作品から約10年後と考えると想像の幅等が広がるかもしれません。
ほか、面白そうな点では1900年に行われたパリ万博では「映画」の発明展示が行われていたり、日本からの展示品もあるようでした。
ひょっとすると次回作には”映画”の概念が登場するかもしれませんし、「パリ万博で日本の展示物を見た」という設定にすればサムライや日本刀を登場させるのも可能かもしれません。
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