ゲーム「Clair Obscur: Expedition 33」(クレールオブスキュール:エクスペディション33)のストーリー考察です。
イマイチ分かりづらいかもしれない、誰が何の創造物の作者なのかをゲーム内の記載からまとめてみました。
ストーリークリア(あるいは収集物の完全達成)を前提としているので、ネタバレに注意して下さい。
誰が何の作者なの?
ゲーム内の世界は「幼少期のヴェルソのキャンバスに、登場人物がそれぞれ描き込んでいった結果」という設定になっています。
※ 前提として、この世界の”画家”は”クロマ”を使うことで魔法を使ったり、描いたものを具現化させることができる
そのため、キャンバス内世界では家族(ヴェルソ、ルノワール、アリーン、クレア)の創造物が混在しています。
今回は、ちょっと気になったのでキャンバス内世界にあるものについて、誰が何を描いたのかをゲーム内の記載から取り上げてみます。
また、直接言及されていないものについては推測等を含めて考察します。
ざっくりまとめ
- キャンバス内の世界:ヴェルソ、ルノワール、アリーン、クレア
- エスキエ、モノコ、ノコ、ジェストラル、グランディス:ヴェルソ
- 偽家族:アリーン
- ネヴロン:クレア
- アクソン:ルノワール
エスキエ、モノコ
まずは明確に作中で示されているものから行きます。
エスキエやモノコ、ノコ、ジェストラル、グランディスを描いたのは間違いなくヴェルソです。
このことはゲーム内で直接言及されています。

モノコ3世
現実世界で出会える犬には”モノコ3世”と命名されていることから、モノコのモチーフは犬である事が推測できます。
骨を集める習性があるのは元ネタが犬だからでしょう。
また、“3世”であるため、現実世界では初代モノコやモノコ2世が存在していたかもしれないと推測できます。
犬の寿命は10歳程度と言われているため、3匹目の犬という意味かもしれません。
キャンバス世界のモノコは”3世”ではないため、初代モノコを偲んでヴェルソがキャンバスに描いたものと考えることもできます。

おまけ:リアルモノコ
Sandfall Game(開発元)の社員ページにはMONOCOが Happiness Managerとして存在します。

参考:https://www.sandfall.co/team
ノコ
“ノコ”には”世”がないため、最近飼われ始めた犬かもしれません。
モノコと比べると後の作品と考えることができます。
エスキエ
おおらかで子どものような性格であることを考えると、エスキエはヴェルソの非常に初期の作品であると考えられます。
ジェストラルとグランディス
ジェストラルとグランディスについては直接言及されていませんが、崩壊前からキャンバス世界に存在していた点を考えると、ヴェルソが描いたものと考えるのが妥当でしょう。
偽家族(描かれた家族)
これも直接言及されており、キャンバス内世界に登場する家族はアリーンの作品です。
ヴェルソの死後、アリーンはキャンバス内世界に閉じこもり、そこに自分の家族を描き、彼らと過ごすことで現実逃避しています。
具体的にはルノワール(顔に傷がある方、ACT2の終盤で倒す)、ヴェルソ(作中世界で一緒に旅をする仲間)、クレア(空の邸宅で戦えるボス)、アリシア(マエルの好感度イベントで戦う)はアリーンによって作られた偽家族です。

アリーンはルノワール超絶LOVE?
モノリス内部で見られるペイントレスの記憶(観覧車の前で喧嘩するシーン)やルノワールの下書きでのルノワールの言及(彼女の芸術性が変化し、心が離れていくのを感じている)から、夫婦仲はヴェルソが死亡する以前からあまり良くなかったと考えられます。
とはいえ、ルノワールはアリーンを救うためにキャンバス世界にきているのでアリーンの事を愛しているのは確実です。
また、偽ルノワールは戦闘能力が高かったり、家族思いであったり、戦闘中突如黒い獣を呼び出したりする点(かっこいい)を考えると、アリーンもかなりルノワールLOVEである事が伺えます。
さらに、偽ルノワール戦のBGM「Une vie à t’aimer」では、アリーンとルノワール役に扮したボーカルがお互いに熱烈なラブコールを送り合うという歌詞なので、夫婦仲は表面上悪いですが実際はかなり良いかもしれません。
以下、歌詞の一部と和訳です。(長いので冒頭のみ)
(女ボーカル)Arrête de m’aimer
(男ボーカル)Je t’aimerai toujours(二人で)Lâche ce pinceau
Quitte cette toile(二人で)Renoir/Aline
https://www.reddit.com/r/expedition33/comments/1kdkfs4/i_translated_une_vie_%C3%A0_taimer_for_anyone_who/より引用
(女ボーカル)私を愛するのをやめて
(男ボーカル)永遠にあなたを愛します(二人で)この絵筆を離してキャンバスを離れよう
(二人で)アリーン/ルノワール
アリシアを火傷のまま描いた理由
アリーンは容姿を好きに描けたにも関わらず、偽アリシアを火事の後の姿として描いています。
作中でこの意図について語られることは有りませんが、以下のように推測できます。
- 現実世界での出来事(火事)を忘れないため
- ヴェルソを失う原因を作ったアリシアをいじめて気晴らしするため
2番目の理由はあまりにも子供じみていますから、現実世界での出来事を忘れないためという説を個人的には推します。
アリーンも彼女なりに整理が付いたら現実世界に戻るつもりだったのかもしれません。
ネヴロン
ネヴロンはクレアによる創造物と言及されます。
正しくは本物クレアに改造された偽物クレアが作り出したもののようです。
作中、会話のできるネヴロンは「主」が天にいることを示唆しますが、空飛ぶ邸宅にいるクレアのことだと考えられます。
通常、キャンバス世界の人間は死ぬと消え、クロマ(魔力の元のようなもの)がキャンバス世界の支配者であるアリーンに戻りますが、ネヴロンに殺された人間はクロマがその場に残留(=アリーンが弱体化)します。
つまり、キャンバス世界の破壊を加速するために作られたものです。

一部のネヴロンはルノワール作
現実世界で訪れることのできる「ルノワールのアトリエ」には一部のネヴロンの下書きがあることから、一部のネヴロン(特に新ルミエールで戦うもの)についてはルノワールの作品と考えることができます。

特徴的な点としては引き裂かれていたり体の形が不完全で、ルノワールの精神がかなり不安定な状況にあることを表しているのかもしれません。

アクソン
アクソンは作中でルノワールが作ったものであると言及されます。

現実世界のルノワールのアトリエには作中に登場する4体のアクソンの絵があることから、おそらくすべてのアクソンはルノワールによる作品です。
アクソンの島もルノワール作品と考えて良いでしょう。

また、“絵は本質を描くもの”であると作中で提示されること、ヴィサージュがヴェルソであると顔のない男(=ルノワール)から直接言及されること、ルノワールは作品に意味を持たせる事をポリシーとしていることから、これらのアクソンはルノワールから妻、子ども達へのメッセージや希望といったものを含んでいる可能性が高いです。
キャンバス内の世界
キャンバス内の世界(大陸やルミエール、世界中に散らばっているオブジェ)についての直接的な言及はありません。
ヴェルソの死亡以前はクレア以外の家族はヴェルソのキャンバスに加筆していないとされているため、崩壊前から存在していた建築物はヴェルソまたはクレアの作品であると考えられます。

以下は、崩壊前から存在していたとされるものの例です。
- 回転木馬
- 列車 – 母親に買ってもらったという言及があるが、線路は崩壊に巻き込まれており、崩壊前から存在していた可能性は高い
- カジノ
- 大陸
ルミエール
新・旧のルミエールやキャンバス世界で暮らす人々の作者は作中では語られません。
しかし、アリーンもしくはヴェルソ/クレアが描いた可能性が高いと考えます。
ルノワールは人間やルミエールを描く理由がないので除外されます。
- アリーン:
- マエルをキャンバス世界の人間として転生させたのはアリーンのため、人間を描くのが得意かもしれない。作中世界の人間は死ぬとアリーンにクロマが戻る
- 偽家族と偽屋敷で暮らすために街の外に人々が欲しかった
- 現実世界の屋敷に人々が行き交う街が飾られている(=ヴェルソのキャンバスに描く前にスケッチを描く習性があるようなので、現実世界にある絵=ヴェルソのものでない可能性がある)
- ヴェルソ/クレア:
- キャンバス世界の元の主
- 線路や列車は彼の作品であるため、人間や街も描いた可能性もある
エッフェル塔(ねじれ塔)
エッフェル塔のようなオブジェクト(ルミエールの人々はねじれ塔と呼んでいる)はルノワールの作品である可能性があります。
ルノワールのアトリエでねじれた塔が描かれたキャンバスが見つかるためです。

あるいは、後述するルノワール=作家説によるものかもしれません。
作中世界のストーリー
現実世界にある絵にはキャンバス世界の未来を描いた絵があります。
以下はACT3突入前、現実世界のルノワールのアトリエに飾ってある絵です。
マエルの好感度5->6のダンジョン内の出来事(対峙する2人のアリシア、白いアクソンの前)を想起された方はいるでしょうか。

この絵を発見した時点、ACT3突入前では絶対に見ることのできない光景です。
現実世界には数字が33になったモノリスの絵もありますが、作中のルノワールやアリーンはキャンバス世界に潜っていて絵は描けないはずなので、この絵が存在するのも不自然です。
そのため、画家には魔法を使ったり絵を具現化させるだけでなく、ストーリーを作りそれを現実世界のものとする能力もあるのかもしれません。(作家と争っている中、皮肉にも画家が作家まがいの事をしていることになります)
であるならば、作中の一連のストーリーは「すべてルノワールの手の内だったのでは?」という推測もすることができます。
ただし、明確にこういった点については作中で語られていないので、推測の域は出ない点にも注意が必要です。
あとがき
以上、作中で語られる創造物とその制作者について、ゲーム内で根拠のあるものは画像等を添えてまとめてみました。
ただ、未来予知の絵だったり、整理するつもりが謎は余計に深まるばかりになってしまいました。
他、ペタンクやモノマネ師のようなちょっとコミカルな敵もクレアが描いたと考えるとちょっとおもしろいかもしれません。
ストーリー考察の一助になれば幸いです。
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